自律神経の症状 症例
症状
年明けの1月頃からなんとなく不調を感じていたが、最近(3月頃~)眠れなくなり疲れとだるさがひどくなってきた。
あまり眠れないときは耳のつまりや頭痛も出る。それらに加え胃部に不快感があり食欲も落ちてきたため、不安になり消化器内科を受診。
胃腸には問題がなく自律神経の問題かもしれないとのことで心療内科を勧められたが、薬を飲むことに抵抗を感じたため他の方法を検索。
鍼治療を試してみたくなり来院。
来院者
30代 女性
期間
2022年4月~2022年6月
頻度
週2~3回
通院回数
8回
施術と経過
全体を観察すると首肩から背中、胸の緊張が強く、明らかに呼吸が浅い。また、胃部に強い圧痛がある。
まずはこれらの緊張を緩和し呼吸を整えるとともに、胃部の不快感を改善することからはじめることを伝え施術を開始。
1診目:呼吸に関する胸と背中を手足のツボで、胃部に対しては足のツボを使用。施術後、呼吸がしやすく胃のあたりがスーっとするとのことで1診目を終了。
2~4診目:前回の施術から少しだが食欲があり、よく眠れている。2診目以降はいままでの施術に全身の疲労回復を促進する臀部のツボを加える。
5診目:胃部の不快感がほとんどなくなり、夜もよく眠れ非常に調子がいい。また、眠れていることで耳のつまりや頭痛もでていない。
経過が良好のため施術間隔を開けていくことにし、5~7診目までは1週間、7~8診目までは2週間開けて経過を観た。8診目終了後、ほとんど不調がみられないとのことで施術を終了した。
現在はメンテナンスのため2~4週間に一度来院しいい状態をキープしている。
使用したツボ
合谷LR 開魄LR 曲泉L 胞肓L 秩辺L
まとめ
特に原因が見つからずなんとなくの不調から体調を崩してしまい、原因がわからないために不安になり症状が悪化してしまうことは多くみられる。
このようなケースではどこから施術を開始するかが難しく、丁寧に全体を観察することが重要となる。
今回は体の緊張から呼吸が浅くなり、睡眠の質が低下したため疲れが取れず症状が悪化したと考える。
様々な症状に自律神経の乱れが加わると改善までに時間がかかってしまうことが多いが、原因を的確に見つけることができれば早期に改善することができる。
症状
1年半前くらいから疲れてくると、のどと胃部に不快感を感じるため、内科、耳鼻科、心療内科などを受診。病院では胃が悪く、軽い逆流性食道炎が原因でのどに不快感が出ていると診断され薬を処方された。
しかし、薬を飲んでも一向に改善せず、最近ではのどや胃部の不快感が出てくると不安感や倦怠感、頭痛、腹痛などの自律神経の症状も感じるようになってきた。
このままでは仕事にも行けなくなり生活に支障をきたすと不安になり、他にできることはないかとインターネットで検索。鍼治療でのどの不快感や自律神経の症状を改善できることを知り来院した。
来院者
男性30代
期間
2022年12月~2023年3月
頻度
週2~3回
通院回数
11回~15回
施術と経過
1診目:のどと胃部を確認すると緊張が強い。まずはこれらの緊張緩和を目的として足のツボに鍼をした。のど、胃部ともに緩みを感じたため様子を見た。
2診目:胃部の不快感はほとんど感じないが、のどの違和感が残っている。のどから鼻周辺を確認すると鼻に熱がこもっている。熱を下げる目的で手・足のツボを追加した。
3診目:のどの違和感が少なくなっていることで、気持ちも体も楽に感じ自律神経の症状も落ち着いてきている。ただ、仕事が忙しいとまた症状が悪化しそうで怖いとのこと。今の施術で効果が出ているので様子を見ながら継続する。
7診目:のど・胃部ともに不快感がなく、全体的にも楽になっている。週1回の施術から月に1~2回の施術に変更し、再発しないようからだを整えていくことを提案。
11診目:再発もなく調子がいいとのことで施術を終了した。
使用したツボ
曲泉L 築賓L 開魄L 四芯L 衝陽R
まとめ
病院では逆流性食道炎がのどの不快感の原因と診断されたが、薬を飲んでも改善しない場合にはのど周辺の緊張や頭部の熱を確認することが重要となる。
これらの所見があると症状が長引く原因になりなかなか改善しない。
鍼治療ではこれらをピンポイントで緩和することができるため、非常に有効な治療法となる。長引くのどの違和感でお悩みの方には鍼治療を試してほしい。